Aptamer

Aptamer(アプタマー)はバイオサイエンス分野における専門用語で、標的分子に結合する分子を指します。核酸塩基配列を骨格とする分子、アミノ酸配列を骨格とする分子をそれぞれ”核酸アプタマー”、”ペプチドアプタマー” と呼びます。

現在、創薬・診断薬の分野における分子標的薬・分子認識素子として最も広く利用されている分子は、ポリアミノ酸であるタンパク質や抗体です。

一方、アプタマーの中でも、ポリヌクレオチド(核酸塩基と糖が結合した高分子)である核酸アプタマーは、ペプチドやタンパク質、抗体にはない下記の特長をもつ生体高分子であり、新しい分子標的薬・分子認識素子として期待されています。

核酸アプタマーの特長

(1) 低コスト且つ短期間で獲得できる

  • 常に一定品質の分子が提供される(ロット差がほぼない)
  • Web 経由で配列を送信するだけで安価に合成依頼が可能(国内外に多くの合成受託会社があり、低価格競争が激化)
  • アプタマーの連結体など、オリジナル分子の設計・構築が容易(bispecific 抗体のような分子を簡単に設計・製造できる)
  • アプタマー獲得実験系と抗体獲得実験系の社内導入を比較すると、設備費用と実験スペース面でアプタマー獲得実験系の方が圧倒的に有利

(2) 変性による劣化がない

  • 輸送や保管時の温度管理が不要
  • 長期間の保管・保存が可能

(3) 相補鎖がある

  • 分子標的薬として利用する場合、相補鎖で薬効を中和できる